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JAFの趣味なページ

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機体命名法


最近アフガン攻撃だとかイラク戦争だとか、何かと物騒な世の中になったものです。
それに伴って「F-15」「C-130」「F/A-18」などの兵器名をちらほら耳にしたり新聞で読んだりします。
不謹慎ながらニュースで空母から発艦する戦闘機を見ると内心喜んでいたものです(表面上は家族に気を使って自粛しておりました)。
イラク戦争が丁度中学二年生の終わりで、友が軍隊について聞いてくるので熱く語ったものです。

閑話休題

ともかく兵器の名前をあちこちで見るようになりました。他にも沖縄で墜落した「CH-53D」も記憶に新しいですね。
こういう名前を見てふと思うことってありませんか?「この名前どういうふうにつけているんだろう?」と。
ありますよね(笑)

「ロシアのミグ」というのは何故か有名ですが、他にも飛行機は山ほどあるわけです。

というわけでどういう風についているのか、見ていきましょう。



軍用機命名の基本

○-(通し番号)

これがアメリカやロシアで使われている一番基本的な命名方法です。
戦車や、艦船の艦籍などでもこの方式はよく使われます。
「F-15」というのは「F」で「15」番目という意味ですね。ちなみにこの「15」番目というのは1962年まで海軍と空軍が別々に名前をつけていたのを統一した際に1から割り振りしなおしもので、それ以前は100を超えるナンバーがありました。
他の機種も、1962年以降位置から割り振りされなおしています。
では次に数字の前のアルファベットが何を意味するのか、一覧にしてみました。

アメリカ軍の場合

まず機体の状態を表します。状態といっても「壊れてる」とかそういうのではありません。

実験機→X(eXperimental)
試作機→Y(prototYpe)

何もついていないのは一般機で、実戦配備につく機体です。

次につかない事も多いのですが、従任務を表す記号をつけます。

標的操縦機→D(Drone control)
救難機→H
標的機→Q
空中給油機→K(Kerosene)
多用途機→M(Multi-mission)
天候観測機→W(Weather observation)
要人機→V(VIP)

続いて機種、つまり割り当てられる主任務によって記号がつけられます。

攻撃機→A(Attacker)A-6,A-10など
爆撃機→B(Bomber)B-29,B-1など
輸送機→C(Cargo transport)C-130,C-17など
電子戦機・早期警戒機→E(Electonic installation)E-3,E-8など
戦闘機→F(Fighter)F-4.F-15など
戦闘攻撃機→F/A(Fighter/Attacker)+戦闘機と共通の通し番号 F/A-18,F/A-22
観測機→O(Observation) OH-58など
哨戒機→P(Patrol) P-3など
偵察機→R(Reconnaissance) RF-4など
対潜機→S(anti Submarine) S-2,S-3など
汎用機→U(Utility) U-125など

さらに飛ぶ方式によって記号が割り当てられます。
通常、任務の後ろにつきます。

垂直離着陸機→V(VTOL)AV-8B,MV-22など
ヘリコプター→H(Helicopter)UH-1,AH-64など

そして通し番号、固有数字というわけです。
主任務ごとに1から振られるのが原則ですが、欠番もあります。
それに採用にならなかった機体にもこの番号は振られますので、知らず知らずのうちに消えていった番号もあるのです。

最後に「改修型・派生型・改良型」を表す記号がつけられます。
一般的に最初の機体が"A"でその後B C D E と順番につくことが多いです。が、大幅な改修を受けたりすると新しく
名前を貰ったりもします。C-130輸送機に105mm榴弾砲,40mm機関砲,25mmガトリング砲等をとりつけたAC-130などがそれです。
他にはF-5戦闘機を大幅改修したF-20などが存在します。

以上がアメリカ軍の命名法です。

例を挙げると、「YAH-64」であれば、"Y"試験中で"A"攻撃任務を持つ"H"ヘリコプターの"64"64番目の機体、という意味です。



次にソ連・ロシアに行ってみましょう。

ソ連は一番最初の記号が開発した会社・設計局の略称です。それに固有番号がつくことになります。
アメリカと違い、通し番号ではありますが戦闘機は奇数でそれ以外は偶数という風になっています。(例外はありますが)

アントノフ→An
ポリカルポフ→I
イリューシン→Il
カモフ→Ka
ラボーチキン→La
ミル→Mi
ミコヤン・グレビッチ→MiG
ペトリャコフ→Pe
スホーイ→Su
ツポレフ→Tu
ヤコブレフ→Yak

これでほぼ全て表せます。
「ミグ」というのはミコヤン・グレビッチ設計局が開発した、という意味なんですね。
ただ試験機や実験機がどうなるのか私は知りません。
普通に「Su」などがついているような気がしますが、もしかすると違うのかもしれません。



以上の2つで、地球上に存在するほとんどの機体は表すことができます。
ヨーロッパの機体はまた違う方法でつけていたりしますが、ニュースや新聞には中々でてこないので割愛します。


では最後に、ちょっとかっこいい中国軍の命名法を・・・ほとんどがソ連のコピーなんですが一丁前に名前をつけています。

戦闘機→殲撃(せんげき)殲撃11型など
爆撃機→轟炸(ごうさく)轟炸6型など
攻撃機→強撃(きょうげき)強撃5型など
早期警戒機→空警(くうけい)空警1号など
偵察機→殲偵(せんてい)殲偵6型など
対潜哨戒機→水轟(すいごう)水轟5型など
輸送機→運輸(うんゆ)運輸8型など
空中給油機→轟油(ごうゆ)轟油6型など
ヘリコプター→直昇(ちょくしょう)直昇9型など

・・・漢字ってかっこいいと思いません?中国軍は船も全部漢字なのですが、
自衛隊もひらがなで船の名前をつけていないで漢字にしてくれないかと思います。
「はつゆき」より「初雪」の方が、「おうみ」より「近江」のほうがかっこいいですよね。

以上お付き合いありがとうございました。


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